『アイヌのシャーマン』 - 【人間本来の精神世界】
- 2014/09/27
- 13:17

先月礼文島に行った際、国道40号線を車で北上した。音威子府あたりで道端に『松浦武四郎、北海道命名の地』といった案内板が立っていた。車での通りすがりの一瞬だったので、細かい字句は間違っているかもしれない。それでも『北海道の地名はここら辺で考え出されたのか。』といった印象だけは残った。 松浦武四郎は幕末期から明治初期にかけ北海道を調査した人物である。それも始めは単に個人で調査・探検してい...
【蝦夷錦の謎】 - 『北方のシルクロード』
- 2014/09/25
- 20:37

1593年正月、一人の武将が豊臣秀吉に謁見していた。場所は北九州肥前の名護屋城。この城は朝鮮出兵の拠点として秀吉が築いたものだった。その武将は見慣れね胴衣を身につけていた。絹地に龍や雲の細密な刺繍が金糸、銀糸で施された見事なものだった。裏には手引白木綿地と水色絹地が用いられていた。異国風であった。その武将の名は『蠣崎慶広』(よしひろ)。松前藩の第5代当主であった。秀吉は上機嫌だった。北の外...
『0の概念の発生』 - 【タージ・マハル】
- 2014/09/22
- 22:29
インド北部アーグラにタージ・マハルという建造物がある。ムガル帝国代5代皇帝シャー・ジャハーンが愛妃ムムターズ・マハルの死を悼んで、17世紀に建造された墓廟である。白い総大理石が細かい装飾模様で彩られ、、世界でもっとも美しい建造物の一つと言われる。この建造物の美しさの最大の秘密はシンメトリーにある。シンメトリーとは対称ということである。インド・イスラム建築では古くからシンメトリーの美しさというのが...
『暗闇はなぜ怖いか?』 - 【幽霊と猛獣】
- 2014/09/16
- 23:30
数か月前、山奥の温泉宿に泊まった。ここの湯が好きなので、機会があるとたまに泊まる。本当に山奥で、以前近くでエゾタヌキも見かけたこともあった。食事の出ない宿で、自炊か弁当の持ち込みとなる。自分はその時は弁当を持ち込んだ。宿の周りには他の建物は全く無い。そして夜となった。小雨だったので月明かりも星明かりもなく、宿の周りは真っ暗となった。久しぶりに見た真の闇だった。いつもは街に住んでいるので夜でもどこ...
『本能寺の変』の真実 - 【明智光秀と堺の茶人・商人】
- 2014/09/13
- 12:08

【イメージ/明智光秀 67歳?】 日本史での謎の一つに明智光秀による織田信長の暗殺がある。織田家臣団の中でほぼ筆頭重臣といって良い位置にいた明智光秀が、日本統一目前の織田信長に謀反を起こし、暗殺した。信長の光秀への信頼は非常に篤かったと言われている。1582年(天正10年)6月2日早朝のことであった。『本能寺の変』である。事件発生当時からこの事件は驚きをもっ...
【デルス・ウザーラ】 - 『アイヌへの文化の伝播』
- 2014/09/07
- 15:59
先日、礼文島でオホーツク文化に触れ、昔観た映画のことをを思い出した。その映画の題名は『デルス・ウザーラ』といった。黒沢明が監督をした日ソ合作映画だった。1975年公開、自分が二十歳代前半であった。同年のアカデミー賞 外国語映画賞を受賞している。この映画はウラディミール・アルセーニエフという実在の人物が著した同名の探検記録に基づいている。アルセーニエは旧ソ連の軍人で、ロシア極東地方の調査、地図作成...
生まれる前後の記憶 - 誕生は入口か?出口か?
- 2014/09/06
- 20:36

人それぞれの最初の記憶とはどんなものだろうか?三島由紀夫の最初の記憶は産湯に浸かった時だという。自叙伝的小説であった『仮面の告白』にその場面は出て来る。 『永いあいだ、私は自分が生まれたときの光景を見たことがあると言い張っていた。それを言い出すたびに大人たちは笑い、しまいには自分がからかわれているのかと思って、この蒼ざめた子供らしくない子供の顔を、かるい憎しみも色さした目つきで...
『スイカに塩』 - 【世界に渦巻く、様々な好み】
- 2014/09/03
- 19:43

スイカの美味しい季節がまだ続く。自分はスイカを一口大のサイコロにカットし、大き目のタッパーに入れて冷蔵庫に放り込んでおく。好きな時に取り出しては、気ままに食べる。数百円のことなのだが、何か贅沢な気分になる。 最近このスイカに塩をかけるべきかどうかで『国際紛争?』が起こっていたようである。中国のある人が『日本人はスイカに塩をかけるが、どう思うか?』というスレッドを立ち上げた。それに対して...