『日本人の宗教観をめぐって』 - 【仏像と秦氏】
- 2016/08/24
- 20:40

実家の玄関には仏像が置かれている。私が小学生の頃からである。勿論レプリカではあるが、中々良くできている。綺麗な顔立ちだなあと子供の頃から思っていた。これの元が、『広隆寺』の『弥勒菩薩半跏思惟像』(みろくぼさつはんかしゅいぞう)だと知ったのはかなり長じてからだった。この仏像の謂われは『日本書紀』に書かれており、603年に『秦河勝』が『聖徳太子』より譲り受け、『広隆寺』を建造してそこに安置...
『日本人の宗教観をめぐって』 - 【三柱鳥居の謎】
- 2016/08/20
- 22:33

これは『三柱鳥居』(みはしらとりい)と言われるものである。正三角形に配置された三本の柱を使用して三方に3つの鳥居を形づくっている。このようなものが全国的には7箇所程あるという。しかし京都市太秦(うずまさ)にある、木嶋(このしま)神社の境内にあるものが最も古く、オリジナルということのようだ。この神社の正式名称は木嶋坐天照御魂神社(このしま にます あまてる みたま じんじゃ)となる。創建...
『日本人の宗教観をめぐって』 - 【縄文にちらつく古代メソポタミアの影】
- 2016/08/12
- 11:18

アイヌの『イヨマンテ(熊送りの祭)』である。一度生け捕りした子熊を一定期間肥育し、食べる。しかし、単に食べるだけではない。きちんと神の国に送り返す儀式をする。祝詞や踊りを奉げる。これは熊の本体を『カムイ(精霊)』とみているためである。一般にカムイのことを『神』という言い方をするが、私は『精霊』といったイメージのほうが近いと思う。『神』よりもう少しぼんやりとしている。その『精霊』の本体...
『日本人の宗教観をめぐって』 - 【黒潮に乗った赤飯】
- 2016/08/06
- 15:47

日本の神社の鳥居に良く似た門を持つ『アカ族』についてもう少し調べてみると、こんなものもあった。『アカ族』というのは東南アジアのタイ、ミャンマー、ラオスといったあたりの北部山岳地帯に住んでいる少数民族である。元々は揚子江流域に住んでいたと考えられている。 これは『アカ族』の穀物倉庫である。高床になっていて、建物の中央に棟を直接支える柱が立っている。また、その支点にさらに屋根の端を支える斜...
『日本人の宗教観をめぐって』 - 【黒潮に乗った稲魂】
- 2016/08/05
- 21:09

神社の鳥居である。昨年も家族の一人が厄年だというので、北海道神宮で厄払いの祈祷してもらうのにお付き合いしてきた。ところでこの鳥居だが、どこの神社にもあるので何か昔からの日本独自のものだと思っていた。地図の記号も神社は鳥居で示される。神社のシンボルみたいなものだ。ところが世界を見廻せば、こんなものもあるという。 集落の出入口に立てるのだという。単純な門のように二本の柱だけで...
『日本人の宗教観をめぐって』 - 【飛鳥、奈良時代にちらつくユダヤの影】
- 2016/08/01
- 20:01

最近はどうも人がよく死ぬ。今朝は相撲の九重親方の訃報が報じられていた。先月は大橋巨泉だった。またその前の週には、永六輔だった。勿論人が突然死に始めたわけでもなかろう。昔から人は死んでいた。人が急にどんどん死んでいくように感じるのは、自分と同時代を生きて来た人達が死に始めたということなのだろう。そして、その内に自分の番が来る。そういったわけで、人は段々宗教に興味をいだくようになったりする。しかしな...